「品種、産地が同じでも、値段の高い柿と、安い柿がある理由」 この差ってなんですか?

2018年9月25日の「この差ってなんですか?」で、「品種、産地が同じでも、値段の高い柿と、安い柿がある理由」 について説明がありました。

柿には、ビタミンCとβカロテンが多く含まれており、疲労回復や老化防止に効果があるとの事です。

スーパーに柿を買いに行くと、見た目、品種、産地が同じで、値段の高い柿と、安い柿が売っている場合がありますが、切ってみると、中身に大きな差があり、値段の安い柿は、オレンジ色ですが、値段が高い柿は、オレンジ色に黒い色が混じっています。
そして、値段が高い柿の方が甘いとの事です。

柿の収穫量日本一の和歌山県にあるJA紀北かわかみの熱川靖高さんによると、柿には、熟すと甘くなる“甘柿”と、熟しても渋いままの“渋柿”の2種類があり、今売られている柿は、高い柿も安い柿も、両方とも人工的に甘くしているそうです。

そして、それぞれ甘くさせる方法が違うため、値段と甘さに違いがあるとの事です。

値段が安い柿を甘くする方法は、巨大な装置内で、渋柿に“炭酸ガス”を吹きかけるそうで、そもそも柿の渋みの原因は、タンニンと呼ばれる成分で、食べた時に、このタンニンが舌で吸収され、渋みを感じるそうです。

巨大な装置内で、炭酸ガスを吹きかけると、炭酸ガスにより、柿が無酸素状態となり、渋柿が呼吸できなくなり、渋柿の中にあるアセトアルデヒドが活性化して、渋み成分であるタンニンを包み込むので、渋柿を食べても、タンニンが吸収されず、渋みを感じにくくなるので、柿本来の甘さがより引き立つそうです。

この方法ですと、たった1日で、数十トンの渋柿を甘くする事ができるので、スーパーなどで、安く売る事ができるとの事です。

一方、値段の高い柿を甘くする方法は、まだ熟していない青い渋柿に、“固形アルコール”を袋に入れて包み、2日間放置して甘くします。

渋柿がアルコールを吸収する事で、“炭酸ガス”を使った時の様に、渋柿の中にあるアセトアルデヒドが活性化して、渋み成分であるタンニンを包み込むので、渋みを感じにくくなるそうですが、2日後には、“固形アルコール”の袋を外し、更に、約30日かけて、ゆっくりと熟成させて甘くするそうです。

値段が安い柿を作る“炭酸ガス”を吹きかける方法だと、たった1日なので、全てのタンニンを抑える事ができないのですが、値段の高い柿の場合は、約30日かけて、渋柿の隅々までタンニンを抑える事ができるので、より甘く感じるそうです。

更に、タンニンは、アセトアルデヒドと結びつくと、時間が経つにつれ黒く変化するので、約30日後には、黒くなるとの事です。

“固形アルコール”を使うと、一つ一つが確実に甘くなりますが、手作業で袋をかぶせる必要があるので、高い金額になるそうです。

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